制作年不詳 紙本水彩/軸 26.3×34.9㎝ 薄闇に浮かび上がるように表された白梅。水彩で描かれながら、まるで油絵のような重厚さがあります。作者の子規は、松山生まれの俳人ですが、俳句や短歌の革新につとめ、日本の近代文学に多大な影響を及ぼしました。対象をよく観察し、それによって感じる心の度合いを句や歌に読み込む「写生」の精神を重視した彼は、病床にあった晩期には身近な植物を題材に絵も描きました。この作品も彼の写生に対する姿勢が表れています。