1888-90(明治21-23)年頃 油彩/画布 65.0×92.0㎝ フランスの画家セザンヌは、勢いのある薄塗りのタッチ、透明感のある色彩で、変化に富む水辺の光景を描き続けました。本作もその一例で、緑うるわしい、明るく爽やかな景色が広がっています。辺り一面にみなぎる万物の精気が、観る者の感覚に訴えかけてきます。 よく見ると、その構造は意外にもシステマティック。一定の方向に走る筆触の連続が小さな色面を形作り、それらが寄り合わさって一つの風景を成立させているのです。