作品画像:寒霞渓四望眺より

1916(大正5)年
油彩/画布
45.6×37.8㎝


寒霞渓は、瀬戸内海国立公園の中心にある小豆島にある日本三大渓谷美のひとつです。1910年と翌年に、中川は画家仲間と小豆島や瀬戸内海に写生旅行をしています。この記録として1911年に刊行された2冊の紀行画文集は好評を博しました。島々が浮かぶ陽に照らされた明るい海の色と対照的に、陰となった崖地の鋭い形が暗色で際立っています。四望頂の高さから素早い筆致で景観の特徴をとらえた画家の眼の確かさがうかがえます