1983(昭和58)年 木・金箔・蜜蝋 225.0×45.0×30.0㎝ 廃材と金箔、時には身体の痕跡とを組み合わせた作品を、田窪は1970年代末から80年代にかけて制作しました。廃材と金箔は単なる物質であると同時に、廃材には生の時間の経過が刻まれ、また黄金には「永遠」、「神聖」等の意味が備わっています。田窪はこれらを確認するかのように、自身の手の痕跡を残しました。即物性と観念性とが同居した作品です。この後、田窪の関心はより広い空間、建築や風景へと向かいます。