1985(昭和60)年 多色木版/紙 40.0×80.0㎝ 故郷に新たに立つ愛媛県県民文化会館(1985年施工)の緞帳原画の依頼を受けて制作されました。自身が経験したものしか表現できないとした畦地が、82歳にして再び登山し、手掛けた最後の版画のひとつです。最初の版画集で取り上げた唯一の山であり、長年取り組んできた石鎚山は、柔らかな山の稜線、そして深い陰影から山の厳しさと穏やかさ両面を感じさせるものとなっています。生涯山と向き合い畏敬の念をいただいてきた畦地の集大成といえる作品です。