1959(昭和34)年 多色木版/紙 69.1×45.2㎝ 戦後、1956年に海外から入ってきた「アンフォルメル(形をもたないもの)」の作品群は、「旋風」や「台風」とも言われ、日本の美術に大きな影響を与えました。畦地もこの時代に試行錯誤をしたひとりです。青の背景に真っ直ぐ伸びる不定形の黒の中には、瞳を縦にした様な形があり、細やかな彫で紋様が刻まれています。中心にある眼の虹彩部分には家が見えます。朧気になる記憶のなかで、確かに残る故郷への強い思いが感じられる作品です。