コレクション展で1968年に刊行された『真鍋博の鳥の眼』(毎日新聞社)の原画をご覧になったことがある方もいらっしゃると思いますが、今年2月に『真鍋博の鳥の眼』が再構成され、『新装版 真鍋博の鳥の眼 タイムトリップ日本60’s』として毎日新聞出版より刊行されました。
本書は、日本の主要都市54箇所を鳥の目線で鳥瞰図(イラスト)とテキストで真鍋博が記録した1冊です。
街の様子を描いたイラストは写真などをもとに、墨線、べた塗り、スクリーントーンを使い分け緻密にかつ美しく描かれています。もちろん手描き、手作業で原画は作られています!主要な建造物の名称も絵の中に落とし込んでいるのですが、その文字の配置や建物を指し示す線にも規則性を持たせ、美しくレイアウトされているところに真鍋らしさを感じます。
絵とともに、その土地の歴史や情報が添えられ、50年前の日本を真鍋博の案内でその街を散策しているような気分になる1冊です。
50年前の街並みとは言え、真鍋の美しい鳥瞰図は時代を感じさせず、今どこかに存在する場所のような錯覚にも陥ります。
ぜひぜひ若い世代の方にも手にとっていただき、思わず息をのむ鳥瞰図を見ていただきたいものです。
※『新装版 真鍋博の鳥の眼 タイムトリップ日本60’s』は、ミュージアムショップでも販売してます。